高度計測技術実践センターは、これまでの研究所のもつユニークな高度計測技術シーズを活用し、高度計測技術の開拓発展、機器共用と共同研究および人材育成を行うための組織として、平成27年4月に設立されました。
本センターでは、所内の超高圧電子顕微鏡施設と先端技術共同研究施設を核に、研究所と関連する工学研究科、理学研究科、環境学研究科、シンクロトロン光研究センターおよび学外の知の拠点あいちシンクロトロン光センター、
核融合科学研究所などとの連携の下、電子顕微鏡計測、電磁波計測、素粒子計測、X線分光計測、ナノ加工計測の5つの分野の高度計測技術の実践と人材育成を推進しています。
各部・グループ紹介
電子顕微鏡計測部
電子顕微鏡を用いた精密構造解析法および物性測定法として、原子レベル空間/電子構造解析、収束電子回折法によるナノメーター領域の格子歪みの精密測定、 電子線トモグラフィーによる三次元構造解析、電子線ホログラフィーによる電磁場の可視化、ガス環境下の化学反応その場観察/分析などの技術を発展させます。
我々のグループでは最先端の透過型電子顕微鏡・電子分光と「インフォマティクス」技術を組み合わせて、このようなナノ領域の格子欠陥を正確に計測・分析する手法を開発し、材料機能発現のメカニズムと新規材料開発のための指導原理を解明することを目的としている。
対象は、磁性発現の基本物理量である磁気角運動量のナノ領域測定という基礎研究から、リチウム二次電池、自動車排気ガス浄化触媒、セラミックス素子、フェライト磁石にわたる広範な実用材料分析にまで及ぶ。
招へい教員
電磁波計測部
プラズマ中の原子・分子からの線スペクトル観察によるプラズマ診断など、発光体や材料からの電磁波、反射光などの計測・診断技術を開発することにより、プラズマ核融合などのエネルギーシステムの制御技術の発展に貢献します。
素粒子計測部
独自に開発した原子核乾板技術を駆使して、宇宙から地上へと降り注ぐ宇宙線に含まれる、電荷を持つ素粒子ミューオンを利用して巨大構造物(ピラミッド、原子炉、溶鉱炉、火山など)の内部を透かし撮りする応用技術「ミューオンラジオグラフィ」の開発を行います。
X線分光計測部
知の拠点あいちシンクロトロン光センターの電子蓄積リング及び分光ビームラインを活用しX線分光技術の高度化を図るとともに、新素材や医薬品開発などへの応用研究を進めます。
ナノ加工計測部
先端技術共同研究施設に設置されている薄膜作製装置、微細加工装置、分析・計測装置などの共用装置とクリーンルームを利用して、薄膜形成、ナノ材料作製、ナノ加工、評価/計測に関する技術の高度化を図り、高機能デバイス開発に貢献します。